ジュエルレター

ジュエルレター 2014年1月

みなさん、こんにちは。
今年もどうぞよろしくお願いします。
 
お正月に私は歌舞伎初体験をしました。新しくなった歌舞伎座で新春歌舞伎を友人と見に行ったのです。私の好きな鬼平の中村吉右衛門さんが出るというので行く気になりました。きれいで近代的になった歌舞伎座ですが、伝統的な雰囲気はそのまま、幕間にお土産屋さんをのぞくのも楽しいし、いろいろな歌舞伎グッズがありつい買いたくなってしまいます。きっと海外からのお客様は喜ぶだろうと思います。何しろおめでたい感がたっぷりなんです。例えば、たい焼きのあんこにも紅白のお餅が入っています。
私はチョーが付くほどのミーハー人間なので、こういうわかりやすいイベント的体験が大好きです。歌舞伎の内容はというと、実は一幕目の「忠臣蔵仮名手本9幕目」は途中でうつらうつら寝てしまったのです。なかなか物語に入っていけなくて・・・。でもそのうちに、役者の見えを切るときの迫力や女形のしぐさや女形同士のやり取り、そこで吉右衛門が登場です。ここぞという時の掛け声がまたいいのですね。永ちゃんのタオル投げのようにお約束事の掛け声「いょっ!播磨屋!」と、観客と舞台が一体となるのです。忠義と人情いっぱい詰まった舞台でした。
 
新聞でもテレビでも日本の「高齢化」を取り上げることが多くなりましたが、高齢化がなぜ問題になるかという原因の「少子化」への取り組みは充分ではありません。これを言うと個人の自由だと言われるかもしれませんが、若い人たちが普通に結婚して、2人以上の子供を産めば高齢化のある程度の問題点は解決するはずです。今の日本は、政府も自治体も高齢者に対しては手厚い保護と援助をしていますが、子供を産み育てる世代に対してはとても冷たいのです。待機児童の解消もそうですが、安心して子供を産む気にさせる政策も充分ではありません。また、地域で子供たちを見守るような関係が薄くなってきています。団塊の世代が退職して、子育て世代を手助けするような世代間扶助のような仕組みが出来れば、子供を産み育てる負担が軽減できるのではないかと思うのです。人生80年は当たり前の時代です。仕事や子育てが終了した後も、また新しい世代の役に立つことが出来るなんて幸せなことだと思います。
 
年をとっても必要とされる人間になりたいものです。それは何かを生み出したり与えたりするのではなく、相手の負担が軽くなるよう手を差し伸べることが出来るかどうかではないでしょうか。自分がやってあげたことばかり覚えていて、してもらったことはすっかり忘れてしまっている年寄りにはなりたくないですね。
 
日本の財政が悪化して久しいですが、昨日の新聞に最新のデータでは、日本の財政赤字は国民一人当たり900万円になると伝えていました。平成21年の時には700万円弱でしたから、さらにひどい状態になっているということです。震災の後始末、原発の収拾、そして景気高揚のために税金をつぎ込んでアベノミクスが成功したかのようですが、実際の日本の財政は借金だらけで、将来の見通しも立っていません。夕張市のように現実に破綻してみないと実感できないのかもしれません。夕張市は、破綻自治体になって市民税、健康保険、水道料など日本で一番高い市になったそうです。それで我慢できない人たちはみな他の場所に移転して行き、今夕張市に残っているのはそこに残るしかない人ばかりだそうです。東京都から派遣されて夕張市に来た若い現市長さんも、実際に夕張に来る前は、破綻するということがどういうことか他人事のように思っていたそうです。みんなで知らずうちにゆでガエルになっていたようだと話されています。
でも、彼はそこで残って本当に少ない報酬ながら市長として夕張市を支えようと頑張っています。私はこういう若者がいるということにこそ、日本の希望があると思うのです。過去の成功例を全く知らない若い人たちに、自分たちの子供へ引き継ぐ今を真剣にかじ取りさせてあげてほしいのです。
 日本にはまだまだ優秀でまじめな若い人たちがたくさんいます。そういう人が、ネットの世界に夢中になるだけではもったいないことです。ぜひ社会にその能力を発揮してほしいし、そのチャンスを開いてほしいと思います。
少子化の問題も、若い世代が活躍できる元気のある日本へ導けるのなら、少しは解消する方向へ向かうのではないでしょうか?

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