ジュエルレター

ジュエルレター 2015年7月

みなさん、こんにちは。
 
 うだるような暑さが続いています。連日テレビのニュースのトップが猛暑のお知らせ。そして水分をこまめにとるようにという注意です。産経新聞のコラムに曾野綾子さんが「いつから日本はこんなにきめ細かく過剰報道をするようになったのか」ということを書いておられましたが、同感です。雨が降りそうだと傘を忘れずに、日差しが強そうだと紫外線対策してください、駅のホームでは、くどいほど白線の内側でお待ちください、新大阪の駅では、酔っ払い対策にベンチに方向を変えて、ホームに向かわないようにするそうです。大人が当たり前に自分で判断することをすべて前もって注意する・・・・こんな国はないと思います。そういう気配りが他の国から評価される部分もあるのでしょうが、マスコミの過剰報道には、本来の伝えなくてはならないニュースを取材する能力に欠けているための穴埋めのような気がするのは私の考えすぎでしょうか?
 
 生活保護者に対する住宅扶助の金額が7月から引き下げられました。過去最高の生活保護申請者の人数になり、今後も収入のない高齢者が増加するに従いその数は増え続けるでしょう。今こそ生活保護のシステムを見直す時期なのではないかと思います。まず、自宅のある生活困窮者には生活保護申請が出来ない今の制度を、自宅がありながらも収入のない高齢者や障がい者の支援を考えること(当然住宅補助分は減額されます)。生活保護を受給するために自宅を手放したり、売却が難しい物件のため住み続けざるを得ず、生活費に事欠くというのでは、福祉の精神からおかしいと思います。また、精神疾患での若年者の生活保護についても、高齢者や、家族を抱えての生活保護基準とは同じには算定すべきではないと思います。若い人たちには、生活保護というよりも就業支援、ひとり親が働くために子供の預け先の支援、国民健康保険などの減額支援など、個別の事情に合わせた支援が必要だと思います。そしてこういう福祉にかかわることは。どんなことでも自治体の職員の意欲、使命感にかかっています。
 自治体の仕事には、住民票等の交付などのルーティンワークとは別の、人を相手にしている、民間では対処しきれない仕事があります。そういう部署では、職員の意欲と能力が非常に重要です。ただ、マニュアルに沿って分別していくような仕事ではないので、申請者の気持ちに寄り添いながら、なおかつ税金を使うという大きな権限があります。そのことを自覚している職員がどれだけいるのか、疑問に思うことがよくあります。役所には役所の事情があるとはわかりますが、もっと相手の気持ちになって話を聞いて欲しいものです。また、今の基準や規定が実情に沿わない場合、変える勇気、知恵を絞って対処していく能力をつけてほしいです。もちろん、いい加減な生活保護申請者には毅然と立ち向かう勇気も持ってほしいのです。
 
 世界的な大企業「東芝」が莫大な金額の粉飾決算をしたため、歴代社長はじめ役員辞任に至っています。私は、上場企業の粉飾決算は、株主、銀行など投資先への詐欺行為でありとても許されることではないし、これから多大なペナルティを受けて当然だと思います。
 ただ、中小企業に限って言えばこのようなことってありがちですよね。実際は赤字なのに、黒字決算しなければ銀行が貸してくれない、役所の入札に参加できないなどの話はよく聞きます。日本の法人税ほど小さな事業者に過酷なもので、少し利益が出ても内部留保をすることは、なかなかできません。中小企業の経営者は、税金の支払いにあえぎながらも利益を計上していかなければならないのが現状です。利益が出てもお金はないのでみな悩んでいます。中小企業の社長や個人経営者が子供を後継者にしたがらず、また子供が後を継ぎたがらないのも、いつも金策にあえいでいる親の姿を見ているからではないでしょうか?話は違うけど、子育てしている母親の姿も、もっと幸せそうで生き生きしていたら、娘さんたちも子供を産もうと思うのではないかと。私たち大人の姿が、子供や若者に希望をもたらしていないとしたら不幸なことです。
 東芝の肩を持つわけではないけど、企業の利益とは短期的に結果が出るものばかりではなく、たとえ今は赤字でも長期的には意義ある研究を行っていることも多いと思います。しかし、グローバルな社会になり、株主に外国人が増えると期毎の利益を追求され、取締役の賞与や待遇に影響されます。東芝は、決算では黒字ではありましたが、増収、増益を示すために無理なでっち上げ数字を作り上げてしまったようです。それで離れていく株主はともかく、銀行や役所、経団連での立場がもう少し長期的な目で見るような土壌があったら、ここまで粉飾されることはなかったのではないのでしょうか?
 日本が誇る世界的企業なので、今回の事件はとても残念です。

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