ジュエルレター

ジュエルレター 2015年12月

みなさん、こんにちは。
 
 私がこのジュエルレターを書き始めたのは2002年からです。もう13年もたっているのですね。10年前の12月のレターを読み返してみると、耐震偽装事件について書いていました。10年後にまた、基礎工事のデーターが偽装され、マンションが傾く事件が起ころうとは驚きです。大きな事故も時間が過ぎると他人事のようになってしまうものです。でも、家は家族にとって大きな夢、一生分の稼ぎをつぎ込んで取得する財産です。そういうことに関わる仕事をしている不動産業者にとっては決して忘れてはいけないことだと思います。
 私は契約の時、決済の時、いつまでたってもドキドキします。特に私はそそっかしいので何かミスがあってはいけないと緊張するのです。これは何年この仕事をしていても慣れません。でもミスをしたとしても隠すことはしません。ミスを明らかにして、最善の方法を探すでしょう。物件を引き渡してから長くお客様と付き合うことになるわけですから、信頼が何より大切だと肝に銘じています。
 
 先日休みの日に母が家に来ました。ちょうどいいので、頂き物の銀杏を炒るのに爆ぜない様に殻に割れ目を入れるのを手伝ってもらいました。そのあとも牛蒡の皮をむいたり、レンコンの下ごしらえをしたりと一緒にやっていると、とても楽しく、おしゃべりしながら昔に戻ったような気がします。
昔はどんな家事もお手伝させられ、掃除のときは、ほうきで履く前に、子供たちで濡らした新聞紙を部屋に撒いてほこりを取ったり、布団の外側の布を洗ったときには、縫い直す時に中の綿を押さえさせられたり、料理でもフキの皮をむいたり、ゴマを炒るなど日常的に手伝いをするのが当たり前のこととして、(もちろんその時はとても嫌で逃げ出したかったけど)今はいい思い出になっています。とにかく、普段の暮らし方にとても手をかけていたような気がします。そういう時、家族がいろいろな会話をし、まるで向田邦子の世界のようでした。それが昭和の暮らしだったのですね。
 
 産経新聞の「解答乱麻」という欄で「教育という抽象的なものは存在しない」と提言している教育者がいました。教育とは、親や教師の「言葉と行動」に他ならない。親になり、教師になったものは、その背中を子供たちや生徒が見ているのだということを自覚しなくてはならない。そう考えると親になる責任は重いものだし、教師になるには、子供にその生き方、考え方を見せていく覚悟を持たなくてはならないと思います。私もずいぶん恥ずかしい背中を見せてきたもんだと冷や汗ものです。特別な宗教ではないけれど、生き方や考え方というのはその人の思想でもあると思います。誰に恥じることはなくても自分に恥ずかしい真似はできないと昔の親は教えてきましたから。「神様は見ているんだよ」と。
 
 消費税の10%導入に伴い、軽減税率で自民党と公明党の意見が割れています。
税金はシンプルな方がわかりやすいのですが、政治的な駆け引きの中で租税特別措置法による例外規定がどんどん増えて複雑化しています。
軽減税率の対象を広げることより、消費税を10%にしなくても税収を増やす方法があります。それは、事業者の中で消費税を免除されている業者をなくすこと、配偶者控除、配偶者特別控除の廃止です。そうすれば、消費税8%でも財源が捻出できるはずです。お客様からの預り金である消費税は、売り上げにかかわらず支払うべきだし、女性が活躍する社会を作りたいのなら、配偶者控除より、もっと本質的に女性が社会で働き続けられる支援をすべきだと思います。そして個人個人がより多くの収入を得て税金を納める側になるのが本当の一億総活躍社会ではないでしょうか。

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