ジュエルレター

ジュエルレター 2016年12月

みなさん、こんにちは。
 
 今年最後のレターになりました。
政治のことから地震、台風の災害、芸能界の不倫騒動、薬物汚染など話題に事欠かない1年でした。あまりにも大きな話題が続き、簡単には書ききれません。私の生活の中の出来事のあれこれなど、地震におびえる熊本や福島の人たちから見ればどうでもいいことのように思えてしまいます。
 
この年になると自分が主役になるイベントはなくて、子供や孫の出来事に付き合わされることが多いのです。つぎに私が主役のイベントと言えば、葬式くらいかなと思うこの頃。健康番組にチャンネルを合わせ、年金の額の減額にがっくりしてしまう60代。まだシニアの序の口なので、90歳になってもお元気な佐藤愛子先生の足元にも及びません。だから堂々と年寄りぶることもできない新参者です。どうも中途半端な年齢ですね。
昨夜も部屋にころがしておいた大根を踏んづけて、大根が回転し思い切り尾骶骨を打ってしまいました。幸い大根には傷がつきませんでしたが、私の腰は今朝もずきずき傷んでいます。高齢者が家の中の事故でけがをすることが多いと聞いていましたが、こういうことだったのね・・・つらいわ・・・。
 
今、「住友銀行秘史」という、元住友銀行の取締役だった人が書いた本を読んでいます。今から20年ほど前、バブルの後半、中堅商社のイトマンが、どのように悪い奴らに食い尽くされていくか、また、イトマンのメインバンクであった住友銀行の会長や頭取たちの権力争いと内部抗争を、著者の当時のメモを基に追っていくドキュメンタリーのような読み物ですが、事実は小説より迫力があり、読んでいてドキドキしながらページをめくっています。この本が出版されるとき、私は「ロッキード事件の当事者なら墓場まで持っていく秘密なのになぜ今さら暴露してしまうの」などと思ったものですが、いざ読みだしたら、よくぞ書いてくれましたという感じになりました。
不動産投資が過熱し、金融機関が無節操に過剰融資をし、その後、大蔵省が一転して不動産向け融資の総量規制を不動産業者に対してしたために、多くの人が、はしごを下ろされたように不良債権を抱え込みました。そんな中で、銀行は、商社などを迂回して不動産向け融資をし続けていました。そこに付け込んだのがイトマンの河村社長と、許永中、伊藤寿永光らでした。そして住友銀行からイトマンへ融資した巨額のお金が、株の仕手戦にも流れていった経緯がドラマのように進行していきます。悪はいつでも相手のつけ込みどころを即座に見抜きます。軟弱な銀行マンなど手のひらで転がすように騙していき、時に家族をも巻き込んだスキャンダルでひ弱なエリートたちを脅かします。その中には、今も日本の経済界の中枢にいる人も多く、私たちがよく知っている一流企業や大銀行の役員たち、大蔵官僚、日銀の頭取などが実名で登場します。
こういう本がつぶされることなく出版されるとは、やはり、確実に時代は変わってきているのですね。
 
 それにしても銀行はひどすぎます。本来の融資と預金の利ザヤ(融資金利と預金金利の差)で稼ぐのではなく、今は手数料稼ぎに専念しています。企業や個人の事業に必要なお金を貸す審査能力はもはやゼロに等しく、住宅ローンの申し込み審査も、マニュアル片手に申込者の内容に点数をつけ、マニュアル以外の項目は審査をしようともしません。そして、保険の販売、投資信託の販売に力を入れ、お金の出し入れは機械任せ、預金者は自分のお金を出し入れするのにも手数料を払うようになっています。また、従業員のお給料を現金で払うために、金種を指定すると、数によって両替になる、ということで手数料を請求されます。不良債権の処理に多額の公的資金をつぎ込んで国民に助けてもらったのに、利用者への還元は全くと言っていいほどありません。志ある銀行マンは、何をしたくて仕事をしているのでしょうか。企業を育てるという金融機関の目的はどこへ行ったのでしょうか?
 
 私が理事長をしている「キッズルームさくらんぼぅ」は24時間保育をしています。長女が勤務しており、週に2日ほど夜勤があります。その日は、私が長女の家に泊まり、二人の小学生の孫と一緒に寝ます。寝るときは私が昔話をしていたのですが、最近は、昔ばなしの途中から物語を忘れてしまい、適当に作って話すと5年生の孫が「それ違うよ」と訂正し、その回数がすごく増えてきました。そこで各自で本を読むことにしました。するとたいてい私が一番早く寝てしまい、二人がいつ寝たのかわからないまま朝になってしまいます。童謡を歌ってもすぐに歌詞がわからなくなり「ホニャララ、ホニャララ」というので大変不評になりましたとさ。(昔話・・役立たずの子守唄より)

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